みけねこ

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神様が舞い降りてきて、こう言った。
学校に向かう途中の僕の目の前を、白い羽毛が舞い落ちる。1枚だけじゃなく、何枚も。
不思議に思って、上を見ると、小さな天使を連れた神様がいた。電線に乗り、僕を見下ろす女の子の神様が。
足が止まってしまった僕の前に、ふうわりと舞い降りてきて、神様は言った。
「貴方の余命は、今夜0時までです」
呆気に取られていると、お付きの天使が事情を説明していく。それによると、
・僕の寿命は今夜0時までと決められていたこと
・突然の死に僕が驚き、あの世に来なさそうということ
・僕が死ぬまで神様が付き添い、あの世まで送ること
ということだった。
「貴方の余命は今日までなので、学校に行かなくてもいいんですよ?貴方は死ぬ前に何をしたいのですか?」
「神様とデートしたいです!!」
即答した僕に天使がポカンとしている。神様も表情は変えないが、頭上に?を浮かべる。
「あの、僕今まで、デートをしたことがなくて、死ぬ前にやってみたくて、えっと神様かわいいし、僕もデートするならあなたがよくって・・・」
ーぷっ
説明の途中で神様が笑いだした。
「貴方って面白い人ですね!」
その後、神様は天使とヒソヒソ話をすると消えてしまった。僕の隣に小さな天使を残して。実はと前置きしてから天使が説明していく。
・今までのことはすべて嘘だったこと
・神様だと思っていた子は、もうすぐ僕の側にくる子だ
 ということ
・今彼女は本物の神様に、許可をもらいにいったこと
「まぁ数日待っていてください」
と言い残し、天使も消えた。遠くから聞こえるチャイムの音。僕は現実に帰り、学校へと急ぐ。

数日後、部活を終えて帰る僕の前に、見覚えのある女の子の姿が見えた。
足が止まってしまった僕の前に、ぴょんとやってきて、
彼女は言った。
「貴方が面白い人なので、側に来ちゃいました!貴方の余命は私が死ぬまでです」
今は神様でもなんでもない彼女に、もう一度申し込む。
「僕の命ある限り、僕とデートしてくれませんか?」
「はい!この前のはすっぽかしてしまったので、その分楽しみましょう!」
僕の差し出した手に彼女の手が重なる。
白い羽毛が1枚、風に吹かれて目の前を横切った。

7/27/2023, 12:53:18 PM