るに

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窓から差し込む日差しと
カーテンを閉めていて影になっているところ。
光と闇の狭間で
今日も私は目を覚ます。
大きな指輪を右手の薬指にはめて、
まだダルい体を起こす。
山は紅葉で所々赤色に染まっていて
夏の時とはまた違う景色が広がっていた。
そういえば隣町の迷子列車、
「夜の鳥」だっけな。
今日からブランケット貸し出し開始って聞いた。
最近寒いもんなぁとココアを入れながら思う。
あの迷子列車に乗ったことはないが、
星が綺麗に見えると評判なので
少し気になってはいる。
食堂もついてるみたいだけど、
うどんしかないんだとか。
何回か乗ってたら飽きそうだ。
マフラーを巻いて
久しぶりに地下書庫に向かった。
ここは私が個人で使っているところで、
書庫と言っても
漫画やいらない紙しか置いていない。
物置みたいなところ。
お気に入りの漫画はもちろん書斎にある。
まあでも
時々手入れをしに来なければいけないから
ちと面倒。
埃っぽい空気は
まだ慣れず咳き込む。
時計はずっと止まったまま。
どうせすることないし、
時間なんていくらでもあるからね。
ふと、
本の下に1冊
本が敷かれていた。
退けて見てみるとそれは
私のお気に入りの漫画だった。
しかも1巻目!
"Good Midnight!"
が入ってる漫画じゃないか。
探していたものはずっとそこにあったんだと
ちょっと泣きそうになりながら
埃を拭いた。
こんな毎日が続くんだろうな。
私はこう生きたいとか
目標がある訳じゃないから
気がついたらくたばってると思う。
海と山が見える街で。

12/2/2024, 2:11:52 PM