家のリビングの壁時計がいつも5分進んでいた。調子が悪いのかとずっと思っていた。「あの時計、5分進んでるよね」と家族でも話したことがある。
その時計が電池切れで止まったとき、父が交換していた。今度こそちゃんと動くかと見たら、やっぱり進んでいる。なぜかまたきっちり5分。
ある日、あらためて父に「この時計、5分進んでいるよね」と言うと、何でもないような顔をして「ああ、5分進ませているから。正しいのは、こっち」と、棚にある置き時計を指差した。まさか、家族で見る時計を黙って進めていたなんて。
すっかり父にだまされていた。
「隠された真実」
7/14/2025, 9:21:57 AM