My Heart
ぱきん、と何かの割れる音がして、私はそっと手のひらを広げる。それから、そこにある罅割れたものを見て、たったひとつの吐息をもらした。
あれだけ必死に守っていたものは、こうも簡単に壊れてしまうらしい。
そう思うと今までの全部が馬鹿らしくなって。怯えていた自分がひどく愚かに思えて。
手のひらに残っていたそれを払い落として捨ててしまえば、さっきまでうるさかった世界が遠退いていく。あれだけ怖かったクラスメイトが影法師になっていく。
ああ。初めからこうしておけば良かったんだなぁ。
静かになった人間の輪の中でカラカラ笑った。
3/27/2023, 1:29:30 PM