忘れられない、いつまでも。 天馬兄妹 司・咲希
「咲希!誕生日おめでとう!!」
すっごく家中に響く声で、そう言ってくれたあとに、大きな花束をくれた。
「わぁ〜!ありがとうお兄ちゃん!」
嬉しくって、アタシも大きな声でお礼を返した。
そう、今日はアタシの誕生日なのです!高2になったばかりだけど、クラスのお友達は、誕生日プレゼントをくれて、祝ってくれた。
もちろん、幼馴染でバンド仲間のいっちゃんたちも、誕生日会してくれたんだ!
それで、今はお兄ちゃんからもお祝いしてもらっている最中。
「ふっふっふ、これだけではないぞ!誕生日ケーキもあるし、オレからのショーもあるか らな!」
お兄ちゃんは胸をドンと叩く。
そして、アタシは昔のことがふっとよみがえる。
アタシが入院していたとき、お兄ちゃんは毎日お見舞いに来てくれていた。そして、アタシが笑顔になれるように、ショーもしてくれた。
あの頃は、「どうしていっちゃんたちと、お母さんたちと一緒に居られないんだろう」って思うばかりで――寂しくて悲しい気持ちでいっぱいだった。
その中でも笑顔になれたのは⋯⋯お兄ちゃんがアタシを笑顔にしてくれて。楽しませてくれて。アタシのお星さまになってくれて。
それに⋯今日みたいに誕生日だったら祝ってくれて。
アタシを――照らしてくれたんだ。
「どうしたんだ?ぼーっとして」
はっとして見上げてみると、お兄ちゃんが心配そうにアタシの顔を覗き込んでいた。
アタシは、お兄ちゃんを安心させるように笑いながら首をふった。
「ううん!大丈夫だよ!それと⋯」
アタシは、お兄ちゃんの目をしっかり見つめた。
そして、満面の笑顔を見せ、
「お兄ちゃん、本当にありがとう!」
そう、言った。
お兄ちゃん、本当にありがとう。
忘れられない。忘れられないよ。いつまでも。
5/10/2026, 12:05:56 PM