John Doe(短編小説)

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クリーピーパスタ


2009年、俺がノースダコタ州で幼少期を過ごしていたある夏の夜、ソイツは現れた。

異形。

全身真っ黒のスーツ姿に白いのっぺらぼう、9フィートはあろうかという身長は細く痩せており、背中から無数の触手を生やしていた。

アイツは人間じゃない。怪異そのもの。

その夜、俺は死んだ祖父から買ってもらった双眼鏡で近所の森を部屋から観察していた。ソイツは現れた。数人の女児を引き連れて、森の中でおぞましいことをしてやがったんだ。
あれは悪夢なんかじゃない。内臓が弾ける音、骨が割れる音、ちゃんと聴いてしまったんだ。不思議なことに誰一人悲鳴を上げなかったことを覚えている。

以来、俺は小学生に上がる頃に都市部へ引っ越してそれっきりさ。

だけど、今でものっぺらぼうのアイツにじっと見つめられてるんじゃないかと、20年経っても背中に冷たいモノを感じている。

3/16/2024, 10:44:16 AM