とらた とらお

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今日は自分語り。
二十歳になった時、私は自分を許せずにいた。
「これで大人?世間知らずのこのガキが?」

大人だと自信をもって言える部分がひとつもない。
そんな自分が許せなかった。

その思いは制度にまで及んだ。
「20歳になったら自動的に成人とはどういうことだ。こんな自分が成人だなんて絶対!認めない!」

成人式を迎えるその年、私は成人式に出なかった。地元には帰ったよ。成人式後の同窓会にも出席した。でも、成人式には出なかった。
成人だなんて、大人だなんて、誰よりも自分が一番、自分を認められなかった。

親は悲しんでたなぁ。
「せっかくの成人式なのに…」
私は答えた。
「自動的に成人だなんて認めない。
 まだ成人と言えるほどの人間になってない。」
親は「そぉかあ…」と諦めた。
信念をもって決めたことは、なかなか譲らないことを知っていた。

結局私が自分を成人と認めたのは、その2年後。
大学の卒業式の時だった。
晴れ着を着て写った写真には自信たっぷりの笑み。
親も2年越しの晴れ着姿に喜んだ。

ひとつ残念なのは、その写真が人生で一番太っていた時に撮られたものだということだろうか。

ま、それもよかろう。

1/10/2023, 11:07:16 AM