私は毎年、結婚記念日に妻に花束を贈る。
まだお互い若かった頃。それこそ付き合い始めた当初に「橙色が好きなの」と言った妻の為に、いつも橙色のブーケを用意している。
「旦那さん。奥さんへ贈るなら赤やピンクは如何ですか?花言葉もそちらの方が素敵ですよ」
そう提案する店員に悪気はないのだろう。
花言葉は確かにロマンチックだし、赤やピンクには情熱的な花言葉が付けられている。
気持ちを込めて贈るなら、それもまた1つの選択肢なのかもしれない。
だが私は、それらに縛られる必要はないと思っている。
『あなたが私の為に選んでくれたものなら、何だって嬉しいのよ』
ある時妻が言った一言。
私が選んだ花をブーケにして贈る事に意味があり、きっと妻はそれを喜んでくれているのだから。
『花束』2024/02/09
2/9/2024, 1:24:56 PM