どれくらいの時間が経ったのだろう。
1番最初の記憶は、もう上手く思い出せない。僕はただ気がおかしくなるほどの時間を過ごしている。同じ時代を、永遠に。
僕はひとつの時代に閉じ込められていた。僕はある時から、死ぬと、とある同じ地点の自分に戻るということを繰り返していた。
今がそうだ。12歳の誕生日の日に戻っている。
この世界は僕に何を求めているのだろう?神がいるのなら、神は僕に何を求めているのだろう?
何万回したかわからないため息を吐く。何回目の人生なのかわからない。
何を変えればいいのかも、なぜ12歳の誕生日なのかも、分からない。
やれることは全て試した。
母親が死なないように原因となる車の窓ガラスを割って妨害したり、はたまた母親が死ぬ道を選んだり、これから起こる事件を人が死ぬ前に解決したり、大災害が起こるとじぶんのしうる色々な方法で伝え死人を最低限に抑えるようなこともした。でも、なにも、変わらない。窓から身を投げても、自殺を何度試みても、同じ地点に戻る。ふざけるな、ふざけるな、とうわごとのように呟く。肉体は傷一つないからだに戻っても、精神はとうに狂ってしまっている。世界は僕に何を求めているのだろう。
僕は1000年ほどこうして過ごしているのではないかと感じていた。実際は300年くらいだろうが頭がおかしくなるには十分な時間だ。
あぁ、誰か教えてくれ。僕はこれからどうしたらいいんだ?どうしたら死ぬことが出来るのだろう。僕は100年目あたりから、もう死ぬために生きていた。永遠の生など呪いでしかない。
「だれか、だれか教えてくれよ、いるんだろ?見てるんだろ?」そう呟いても、やがて声の余韻が消えていくだけだった。
2/3/2024, 10:29:55 AM