ほむら

Open App

俺と彼女が共に暮らす前の、一人きりの部屋。その窓越しに見えるのは、変わり映えのない街並みだった。今日は彼女が俺に会いに来てくれる日で、その時を今か今かと待っていた。こういう時に限って時間の流れが遅く感じるのだ。二人でいる時間はあっという間に過ぎていくのに…。

待つのが退屈だなぁ、と思っていたその時、会いたかった彼女の姿が見えた。とても可愛らしいその姿は俺の視線を釘付けにした。彼女がいるだけで、いつもの街並みがこんなにも色づいて見えるなんて思いもしなかった。こちらに気づいたらしい彼女は、俺に向かって大きく手を振った。それを微笑ましく思いながら俺は手を振り返し、彼女の元へ向かった。

テーマ「窓越しに見えるのは」

7/1/2024, 10:26:01 AM