窓越しにただ眺めているように思える。
近い所から、遠い、遠い場所のことまで、ワンタップするだけで目の前に広がる情報の海。多くは、心を消耗させるような悲しいことや、つらいこと。まいにちどこかでだれかが苦しんでいる。それを知らないままでいてはいけないと、浅はかな正義感で目をやれば、あまりに強く押し寄せる波に精神がすり減らされる。
そして私には何も出来ないのだと果てしない無力感に襲われる。
何も出来ないと最初からわかっている。わかっているのに、身勝手に受け取り、身勝手に苛まれている。
結局、傍観者に過ぎないのだ私は。
だって、窓から目を背ければ見ないこともできるのだから。忘れてしまえるのだから。この透明な隔たりの向こうで起きていることは現実だけれど、こちら側にいる私には何の影響も無いのだから。
ただ針の先ほどの痛みを感じただけ。それだけ。それすらもすぐ、
7/1/2024, 4:42:25 PM