君と一緒なら大丈夫【お題:空を見上げて心に浮かんだこと】
「怖いなぁ」
「...え?」
夕日のなか、僕は彼女と話していた。
「きれいとかじゃなくて怖いんだ」
「うん。私もこの感性って人と違ってて変わってるって思うけど、やっぱりそう感じるんだ」
「変わってるだなんて思ってないよ。でもなんでそう感じるのかなって」
「...なんかね、日が沈むとき太陽って一番強く光るでしょ?その光りに包まれて何処か行っちゃうんじゃないかって、
考えちゃうの。そうしたら離ればなれになっちゃうから、だから、そうなったら寂しいなって思って」
彼女は寂しそうにそう呟く。
「大丈夫だよ」
「え?」
「僕もそのときは着いていくから。ひとりぼっちにはならないよ」
「もう、友達とか、家族に会えないかもしれないよ?」
彼女はそう苦笑しながら言った。
「大丈夫だよ。だって一番好きな人と一緒にいられるんだから」
「ふふふ、そういうところだよ?」
「ええ、僕なんか変なこと言ったかなぁ」
「そうじゃないの。もう、ほんと優くんってばほんと鈍感なんだから。
...帰ろっか」
「うん。そうだね」
そうして僕らは帰路に着いた。
7/17/2023, 9:11:43 AM