小絲さなこ

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「キャンバス」



自分の感情を言葉にするのが苦手な私は、キャンバスに向かう。

一筆一筆、出逢った瞬間から今日までの想いを乗せていく。

他の誰かかが見てもわからない。
この絵に隠された、ひとつの恋。

私だけが、私のために描く。


この絵が完成するときには、きっと私は吹っ切れている気がする。


あの人が見てもきっとわからない。
この絵に込められた想いもメッセージも。


それでも構わない。
私だけが、この恋を忘れないように描いておきたい。



────恋物語

5/18/2024, 2:56:16 PM