遠くの空へ
ふと空を見上げたとき、思うことがある。
この空の向こうには、何が広がっているのだろう?
地面はすぐそばにあって手を伸ばせば触れられる。
でも、空には背伸びをしたって届かない。
――まるで、自分みたいだと思った。
過去には触れられる。
あの日の声も、笑い合った時間も、
目を閉じればすぐそこにあるのに
未来は、空みたいに遠くて、広くて、
どこまで続くのかも分からない。
触れたくても触れられないまま。
ただ、前に進むしかない。
桜の木の下で先生に挨拶をして、
友達に手を振る。
「またね」なんて言いながら、
本当はもう同じ日々には戻れないことを
きっとみんな知っている。
ゆっくりと学校の門を出て、
一度だけ振り返った。
胸の奥が、少しだけ痛んだ。
――よし、頑張ろう。
遠くの空に向かって、そう心の中で叫んだ。
4/12/2026, 3:07:28 PM