夜叉@桜石

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雨が、降っている。
延々と、寂しい風をまとって、私を包み込む。
からりと晴れた空、燃え盛る熱を運ぶさらさらとした風、町を包み込む温かな日差し。その全ては、いつだって私の奥底にあるものに届かず、ただ遠くで嘲笑うようにしている。
輝くような仲間たちの色も、美しい友情の熱さも、届かなかった。そろっとカーテンをめくってこちらを覗うように、ただ少しだけ触れて豪雨を退ける。
それでも、長い時を過ごす私には、それを留めておける術がない。私の奥底で降り続く雨は、やまない。
だから

私はまだ、朝日の温もりを知らない。

6/9/2024, 1:46:15 PM