Open App

金木犀の香り始めた季節に
貴方は私の元を止める隙もなく去っては
金木犀の香りが薄れ雪の降り始める季節に
埋もれた私を引っ張りだして。

あの香りが好きだった。
芳醇で甘くどこか儚くて
涼しい風に乗せられて現れる
あのオレンジが好きだった。

貴方の居なくなるこの季節が
1番に嫌いになってしまうことも知らずに
私は軽率に 幸せ だと浮かれていて、

今では手に負えないほど
甘ったるい香りがする度に
呼吸一つ容易くできず蹲るようになって。

いつか貴方が
この闇から抜けられない私を
引っ張り出して抱きしめてはくれないかと
貴方に幸せの意味を求める自分さえ
この季節と共に憎く思えるようになった。

貴方に陶酔し貴方を守る為になら
この身が枯れようとも
我が身一つ惜しまない。
そうやって私は自身を蔑ろにして
いつの間にか傷を抱え壊れていく。

そんな私をまた
貴方が迎えに来てくれるような気がしては
そんな期待一つ抱く自身に怒るのよ。
微かな希望を抱くことでしか
明日を生きれる術はないと言うのに。

11/4/2025, 7:27:42 PM