ガルシア

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 人間は心を空模様に例えることがあると知った。なんて美しいのだろう、と心が激しく揺り動かされたことを覚えている。
 しかし、その美しさは俺には与えられなかった。俺の心が晴れることはない。
 俺が生まれた日は雨が降っていた。望まれぬ存在の誕生に神が流した涙。ひどく冷たい雫、足をとるぬかるんだ地面、重く空を落とすような黒い雲。今でもその雨は降り続け、濁流を起こして溢れ出しては全てを呑み込む。
 いつか祝福の光が俺を暖めてくれるのは日は来るのだろうか。雨粒が一筋、また頬を濡らした。


『今日の心模様』

4/23/2023, 11:15:05 AM