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「嵐が来ようとも側にいるよ。何にも心配いらないよ」

君がいるならすべては晴れと化す。そんな僕の彼女。


降り続く雨が公園の芝生をぐっしょり濡らしている。パーゴラの下のベンチへ向かって歩く僕のスニーカーは早々に重くなった。その足を半ば引きずるように少し傾斜のある地面を登りベンチに座ると、人の背丈くらいの木が湖を背景に佇んでいる。鳩サブレみたいな形をしていると二人で笑った木は、剪定されきれいに丸く整っていた。こんな日に公園にはなかなか来ないだろう。見渡せるだだっ広い広場に人の気配はなかった。足元でちらちらと姿を見せた雨蛙に、跳び乗らないかと手を伸ばして近づいた。すっと手に跳び乗ったカエルは、3秒もたたないうちに跳び去った。僕は手の甲に残る足の感触を忘れないように何度も頭で繰り返した。

7/29/2023, 2:24:55 PM