「なんでもないわ」
決まって君は僕にそう言う。その虚な眼差しはいつも僕じゃない何かを思って空を彷徨う。
それが僕にはとても不安で。
ただでさえフッと僕の元から消えてしまいそうな君を
引き止めるように君の手を握る。
「ふふっ、怖い顔してどうしたの…」
少し驚いた顔の後、すぐに僕をからかう笑みを浮かべる
子供をあやすように、スッと伸びたか細い手が僕の頬を撫でる
きっとぼくはとてつもなく情けない顔を君に見せているんだろう。
クスクスと微笑みながなら僕の首に腕を絡めてくる
今日は冷えるわね…
12/12/2022, 9:42:19 AM