小鳥遊 桜

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【1000年先も】
(少し、怖いかもしれないです。苦手な方は閲覧注意です。)



私たちは、双子。
この村では、
前世でとても悪いことをした極悪人と
前世でとても不幸なことで亡くなった人と
2人で産まれてくるらしい。
…大昔の変な言い伝えだと思うけど。
噂が段々と大きくなって、変な言い伝えになったのだと私たちは思っていた。

でも、私の首には薄く痣があって。
妹は、よく体調が悪くなる。

私が色々と考えてることがわかったみたいで、ムスッとした顔をした妹が私に言う。

『たまたまだよ。あたしが体弱いのもおねぇに痣があるのも。あたしは信じないよ。おねぇは、こんな変な噂、信じるの?』
「いいえ。信じないわ。ごめんなさいね。」



小さな村の何も無い場所。
畑や田んぼ、シャッターだらけの商店街。
この小さな村に私たちは、居場所がなかった。
でも、酷い事件が起こっているらしい。
小さな村だから、噂や事件の内容なんてすぐに広まる。
……私たちは、あまり気にせずにこっそりと、村人に見つからないように私たちだけの秘密の場所に行く。


私たちは、古い神社の社に居た。
誰も来ない。誰も近寄らない。
ここが、ちょうど良かった。
それに、近くに森があって少ないかもしれないけど食料もある、川があって洗濯や妹の体調が悪くなったら布を濡らして額を冷やすことが出来る。

両親は、居ない。
だから、私たちが助け合って頑張らないと。



次の日、妹が体調悪くなった。
いつものように川に行って布を濡らすために、川に行って布を濡らしていた

その時、突然、後ろから押された。

村の、人たち。5人ぐらいいる。

「なんですか?妹が体調悪くて、急いでるので。」

〝待てよ〟〝お前が居なくなったら妹を助けてやるよ〟
〝片方だけなら良かったのに〟〝お前が極悪人だろ〟
色々と言われた。
ムカつくムカつくムカつく。
私は、急がないといけないのに……





「ただいま。」
『おねぇ!大丈夫?水浸しだよ。風邪ひいちゃう。』
「大丈夫よ。花、大丈夫?はやく寝ないと。」
そう言って、妹を寝かせて、私も妹の隣で寝た。

来世もその次もその次もずっとずっと一緒に居たい。
もし、来世も酷いことになっても、私がきっと守る。


「おやすみなさい。明日になったら、体調も良くなるわ。」







┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈


あたしたちは、双子。

あのね、あたしは、おねぇが好き。
あたしだけを見てほしい。
あたしの事だけ考えてほしい。
あたしの傍にずっとずっと永遠に居てほしい。

だから、わざと変な噂を流して私たちに近寄らないようにした。
だから、わざと森に行って変なものを食べて体調不良になっておねぇを独り占めした。
だから、おねぇに酷いことを言う人を消した。

いいよね?おねぇなら許してくれるよね。

ねえ、おねぇ、ずっとずっと永遠に。
1000年先も、ずっとずっと一緒に居ようね。

おねぇ、大好きだよ。
また明日、おやすみ。

2/3/2023, 11:12:25 AM