白井墓守

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『モンシロチョウ』

「モンシロチョウと、モンキチョウの違いって分かるか?」
「……色が白いか、黄色いか、だろ?」
「チッチッチ、違うんだな〜これが!」

○○○

目の前に二種類の蝶が置かれている。
どちらも白い蝶だが、やや斑模様や縁の色味が違う。

「さて、どっちがモンキチョウでしょう〜?」
「は? どっちもモンシロチョウじゃないのか?」
「チッチッチ、違うんだな〜これが!」

片目をウインクして、リズム良く指を振りながら舌音を鳴らす幼馴染の姿に、心底うざいと思った。幼馴染辞めたい。

「知ってるか〜? モンキチョウのメスには白いのが居るんだな〜」
「へぇ」

僕は内心、じゃあモンキチョウじゃないじゃん。とか思いつつも、驚き半分どうでもいい半分の声を上げた。

「他にもな、実は幼虫の頃の食性が違ってだな。モンシロチョウはアブラナ科(キャベツや菜の花)を好んで、モンキチョウはマメ科(シロツメクサ)を好むんだ。だから、畑の周りにモンシロチョウ、草地にはモンキチョウが多いんだぜ」

賢そうに言う幼馴染に対して、僕はちょっとムカついて来たので、学校帰りのカバンからあるものを取り出した。

「そんなに君が勉強大好きなんて知らなかったよ。さぞ、今日返ってきたテストの点数も良いんだろうね」

そして、僕は満点のテストを彼に見せつけた。
その後、僕の顔は青ざめる事となる。
——彼が無言でニッコリと笑いながら、零点のテストを僕に見せつけて来たからだ。

「テスト期間、俺は蝶について学んだからテスト内容は1ミクロン足りとも頭に入ってないぜっ!!」
「馬鹿野郎。夏休みじゃないんだぞ、勉強しろ!!」


おわり

5/10/2026, 5:15:26 PM