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子供の頃は、今より全てのものが鮮明に見えていた気がする。あの頃はなにかに出会うたびに、多かれ少なかれ私は何かを刻みつけられられていた、そんな気がするのだ。とはいえそれも当たり前だろう、子供の頃に出会うものは初めて出会うものばかりなのだから。大人になるにつれて、「初めて出会うもの」には出会いにくくなり、周りには既視感にまみれたものしかない、色褪せたものに見えてくる。この景色を変えるためには、どうすればよいだろうか。多分私が認識するところの世界は、実際の世界よりずっと狭いことが原因だ。私が思うところの世界の端をまたいでみれば、子供の頃見ていた鮮明な世界の続きがあるのだ。子供の頃の景色を見るために、世界の端を超える勇気を持たなくてはいけないと思う。

6/24/2023, 12:20:44 AM