かくひと

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私は実家で犬を代々飼っており、猫に馴染みがなかった。というか、苦手だったんだと思う。掴めない距離感、気ままな性格、難しい愛情表現。でもいつしか、自分とは全く別の、「違う生き方をしている生き物」として捉えるようになった。それから、距離を取るにも接してみようとするにも、少し気が楽になった。
周囲の友人に猫好きが多かったり、私自身、島へ旅に出ることが多く、次第に猫好きになってきた私。昨年出会ったのは、生まれて数週間と思われるほど小さい子猫で、私は(無責任にも)少しの間、世話を焼いてしまった。そのとき感じたのは、こちらが面倒を見ようとする気持ちは子猫には100パーセント伝わっていて、そしてそれを恩返ししようとしてくれる、という健気で優しさに溢れた生き物の姿だった。
私はあの子猫に教わったことを、自分の生き方の指標として、心に留めている。馬鹿な人間に、愛と優しさを教えてくれて、本当にありがとう。

11/15/2024, 11:35:54 AM