お題〈風に身をまかせ〉
私の嫌いな女の子は考えを持たなかったんです。
例えば、図工の時、好きなものを描きなさいというお題が出て、みんなは次々とうさぎや、ゲーム、猫、サッカーボール、色々なものを書いて言ったんです。
まあ、ちなみに私は、家でかっている猫を描きましたけどね。
そして、ちらりとその嫌いな女の子の方を見ると、爪をいじって何も書こうとしなかったんです。
授業ももう終わっちゃうし、なんでかなあと、当時は思っていました。
そして、次に席替えアンケートです。
その嫌いな女の子は、近くになりたい人をまた、描きませんでした。
嫌いな女の子は、お友達が多くて、いつも周りにお友達がいました。 だから私は、友達が沢山いるのに、なんで1人も書かないのだろうかと、不思議に思いました。
次に、私はその嫌いな女の子に行ったんですよ。
『死んでよ』って――。
そうしたらその子は、また爪をいじりました。そして、私を見たと思うと口を開きました。
『…いいよ』
その子は、笑顔で言ったんです。でも私、哀れませんでした。
心の中でガッツポーズを取ったんですよ。でも、性格は終わってませんよね?仕方ないのですよ。その子がチヤホヤされているのが悪いと思いますし、考えを持てないのが悪いのです。
『ふふ、ありがとう!約束破るなんてこと、しないよね』
『…しないよ。雪ちゃんが私なんかにお願いごとしてくれるなんて嬉しいもん』
また、笑顔で言うのです。私なんかに?あー、なんだか心に曇り雲が生じた様です――。
2024/03/20
あの子は死んだ。
屋上から転落死したんだって!
あー!やっと願いが叶ったんだね。
嬉しいよ。今日は最高の誕生日!その当時、私はそう思ってたの。
華ちゃん。私、忘れないよ。
2054/3/20
私、大人になったんだよ。使用許可されていない、若返り薬を飲んで、今はまだその当時の年齢なんだよ。
ごめんね。華ちゃんにもこの進化した世界を見せてあげたかったなあ。
今ではね、ロボットばっかりなの。
みんなみんな、同じ考えを持っているんだよ。
皆同じことを言っているのなら、1人が、うさぎが好きと言ったら、みんなが好きなの。
だからね、ロボットを見る度、華ちゃんを思い出す。
あの時、私の風のように軽い言葉で、身を任せてしまった華ちゃん。
ごめんなさい。華ちゃんが死んでも、世界は変わらなかったんだあ。
みんな私の元に集まってくれると思ったのに。
みんなみんな、華ちゃんの事を忘れて、1人で生活するようになっちゃった。
華ちゃんは皆に必要な存在だったこと、私分からなかったよ。
私さ、後悔してるんだあ。今、こうして殺されてしまうことも。
2054/3/20
櫻井雪 人間のため処刑する
私、こんな世界もう嫌だよ――。
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フィクション。小説初心者🔰
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明日テストなんですよ!短い
5/14/2024, 11:37:19 AM