雪桜(引き継ぎ)

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「なごり」



バイバイまたね

挙げようとした手を彼が握りしめる

おかしな握手みたいに何度か振ってから

横断歩道を渡って駅に向かう背中に

彼の手の温もりが残った手を振る

指の間を夏の終わりの風が吹いて温もりは冷めていく

遠くなる足音が胸の中で響いてくる

時々振り向いてくれる笑顔に

胸が詰まって手を振れなくなっていく

次も会えるとわかっていても

小さくなっていく彼の背中を

見えなくなっても追い続けてた

彼の握力と足音を感じながら

10/3/2025, 8:29:56 AM