行ってきます、というメモ書きと1輪の花がテーブルには置かれていた。
嫌な予感はしてたんだ。この頃口数が少なかったから、どっか具合でも悪いのかなくらいに思ってたけど。
そんなに悩んでいたんなら教えてくれよ。君の夢を真っ向から否定したりしないよ。やりたいようにやればいい。そう言ってちゃんと送り出すつもりでいたよ。
なのに、別れの言葉も言わせてくれないのかい。ずるいよ、君は。
コップに水を汲んで君が残した花を挿した。いくらかもう萎びている。青い花がまるで君の瞳の色を連想させる。
この花は何て言うんだろうか。
知りたいのに、教えてくれる君はもういない。
2/3/2024, 8:13:05 AM