霧夜

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目を瞑ってしまえば、朝が来る。

そんな当たり前の事が、只々怖い。

だから今日も、枕を濡らして朝日を待つの

---二作目---

夢に焦がれる夜がある。
ただ虚しいだけの、幻想に溺れていたい夜がある。

朝が来れば、現実を見なくてはならなくなるから。
この、静かで、誰もが夢へと堕ちている、この時間に。
まるで子供がイタズラを隠す様に、こっそりと。

...あいつに愛される、幸せな幻想を描く。

伝える気も、叶える気も無い。

ただ、この時間さえあればいい。
それだけで、俺は十分だから。

冷たい布団にくるまって...枕が濡れるのは、多分寒さのせいだ。
きっとそうなんだ。

...嗚呼、今日も眠れないな。


#眠れないほど
140作目

12/5/2023, 10:34:42 AM