暁星

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白磁のような艶々した欄干に寄り掛かりながら、さらりと音がしそうな絹糸のような美しい黒髪を掻き上げながらスマホを触りつづけている女性がいた。可愛らしいピンクのトップス、白いタイトなミニスカートは白く美しい肌に映え、綺麗な身体のラインがわかる。
反対側からのんびりと歩きながら、近づいてきた男性がいた。古代中国の民族衣装に似ているがどことなく違い、素材が軽やかで黒く艷やかであった。
短髪の黒髪に浅黒く日焼けした肌、整った顔立ちの青年は悪びれた様子もなく、笑顔で手をひらひらと振っている。
「ごめん待った?遅くなっちゃった」
「はぁ?キメ顔でキモい写真アップしている暇があればさっさと来なさいよ!」
男性の顔面に、スマホに映し出された画像を見せつけた。画像には今も着ている服を何故か半分だけ脱ぎ、筋肉を見せ付けるようなポージングされたもの。『今日は久し振りの牛飼いお出掛けコーデ』と、添えられた文章もある。
「やだなぁ、ただの需要と供給だよ。ほら、コメントでもみんなが喜んでいる」
「こんな勘違い野郎が私の夫だなんて、絶対に知られたくない」
楽しそうに語る夫を睨みつけながら、そう妻は冷たく突き放す。
そんな言葉も大して気にしていない様子の夫は、妻を可笑しそうに見ている。
「織姫、随分と自分のこと棚に上げてない?インフルエンサー気取りで、服まで作ってデザイナーにでもなったつもりかもしれないけど。天帝に見つかったらどうするつもりだい?」
見る間に顔面が蒼白になっていく織姫、それを楽しそうに満足気に彦星はしてやったりと笑顔で見つめている。

怠けすぎて怒られた織姫と彦星なら、現代に感化されすぎて謳歌していそうだなぁ。
そう妄想しながら、そうめんを啜る。
どうやら七夕に食べるらしい、初めて知った。


『七夕』


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毎日投稿を密かな目標にしていたけど、複数の可愛い?推し達に翻弄されているうちに19時が過ぎ去っていた。いや…お題を書くこと自体(笑)そう何も書いてなかったです…。見事に綺麗さっぱり忘れてました。

七夕に食べると今日、友達から教わりました!そして食べてないです(笑)
私の地域は今日は雨が降った七夕になりましたが、織姫の嬉し涙という諸説もあるそうなので、きっと久し振りに会えて喜んでいるでしょう。
ちなみにウチの織姫は韓国ファッションに感化されています(笑)時代的にロン毛のはずの彦星は、フォロワーに短髪が見たい!で切りました。

7/7/2023, 9:10:06 PM