コハク

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t「星」

いつみても夜空に散りばめられた星々たちは綺麗に輝いてる。
いつ頃からだろうか、疲れた…とこぼして下を向いて歩く事が多くなったのは…。立派な足音を響かせる靴としわくちゃなスーツ、アスファルトだけが視界をいつも埋めていた。
今日は用事がありいつと違う気持ちで下を気にして歩く。右手には小さな温もりがぎゅっと握られている。よちよちと一生懸命歩く姿に癒やされる。
横を歩く子どもを眺めていると不意に子どもが空を見上げていた。つられるように自分も空を見上げる。いつぶりだろう星で埋め尽くされた夜空を見たのは。まだ話せない子どもの瞳には、夜空に浮かぶ星とは違う、無垢で純真な星々が散りばめられていた。

3/11/2025, 9:23:50 PM