渚雅

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「……起きたくない」

冬の特に1月の早朝は布団から出るのが億劫になる。賃貸の家は風は凌げど寒さは凌げず,外気温がそのまま流れ込んでくるようで。日の出前の時間であればなおのこと。冬のいと寒きに,なんて思える教養なんか持ち合わせていない自分には朝練なんて拷問にも近い苦痛である。


「嫌だなぁ」

別に部活そのものが嫌いなわけじゃない。大変なことはあってもそれを楽しいと思えるくらいに充実している。成長している実感もあるし結果もではじめている。

だから嫌なのはたったひとつ


「……あいたくない」

つい先日までは顔を見るだけで幸せだった同じ部活のその人。好きな人であるなら尚更,想い人を見つけたのなら喜ぶのが筋なのに。あの人の幸せを願えない自分がいる。


「寒い」

心が身体が寒いから。些細なことですら気になってしまって仕方ない。どうしてあの笑顔の先は自分じゃないの? そんな風に妬んでしまって 醜い自分が嫌になる。


「どうせなら凍りついちゃえばいいのに」

雪にも氷にもなれない寒いだけの日なんて嫌いだ。



テーマ: 寒さが身に染みて

1/11/2024, 10:27:51 PM