ね。

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「この雪は、ワシらの先祖たちの想いなのじゃよ。」
村の長老は、降り積もる雪をじっとみつめ、こう言った。



ボクの住む村は、一年中雪が降り続いている。村はずっと雪に覆われているが、気候は穏やかで、とても過ごしやすい。
そして、雪は大人の膝くらいまでの高さまでしか積もらない。ある一定の高さに達すると、自然と雪は溶け始めるのだ。どうして溶けるのか、溶けた雪はどこにいくのは、誰も知らない。



村にはこんな話がある。
あるとき、村の外から来た者たちが、雪の下はどうなっているのだろう?と興味本位で地面を掘りはじめたそうだ。しかし、どんなに掘ってもすぐに雪が積もってしまう。彼らはイヤになって掘るのをやめようとしたが、動きを止めることができない。彼らは身体が朽ちるまで、ひたすら掘りつづけるしかなく、最後の1人が息絶えたとき、雪は、なにごともなかったかのように彼らすべてを覆い隠した、と。




雪は、村を守っているのである。
雪の下に何があるのかは分からない。
でも、大切な何かがそこにあって、長老の言葉のとおり、雪は、村の存続を願うご先祖さまの想いなのだ。




今日も、雪は降り続く。この先も、雪は降って、溶けて、また降り続いて…を繰り返していく。
いずれボクも、この村を守るために、降り続く雪になるのだろうか。

12/22/2025, 7:16:10 AM