「遠くへ行きたい」
都会で暮らしていると、人は多いのに何故かものすごく孤独を感じる。
自分が生まれ育ったのは店とかはそこそこある片田舎だった。
田舎は田舎で人と人の距離が近すぎてプライバシーがない煩わしさはあるが、こっちみたいに寂しさを感じたことは全くなかった。
夜になっても明るくて煩い街をアパートのベランダから眺める。
「あぁ、どっか遠くへ行きたい。」
ふと、田舎にいた頃の人の繋がりが恋しくて仕方なくなる。
あっちなら、僕が居なくなったら心配してくれたり気にしてくれる人がいるけど、この街から僕が消えてもなんにも変わらないんだろうな。
かまってちゃんな自分にうんざりして、またベランダの外に目をやって、最近覚えたばかりの煙草に火をつける。
7/3/2025, 11:00:50 AM