体調が悪く落ち着かない。追い討ちをかけるように夢見だって、目覚めは「最悪…」の一言に限る。
下腹部は重くて、ズキリと鈍痛がしては顔をしかめた。痛いし、ぐるぐるして気持ち悪い。顔を洗いに行くと青い顔をした私とご対面。ずるずる体を引きずって薬を探して見るも使いきっていた。ソファに座って騙し騙しにお湯を飲む。
彼とベッドで寝ていたはずだけど、仕事が入ってしまったのか何処にも見当たらなくて、置き手紙のひとつもない。急ぎの件だろうなと1人納得させて、痛くない痛くない、と。まじないのように唱えている。
痛みは引かないし居て欲しかったなと心身ともに弱った状態では自分のご機嫌とりもできなかった。
「心細いよ…」
天気は晴れ、だけど俯いた私は雨模様。
ぽたぽたと降り始めて『ところにより雨』だった。
鍵の回る音がした。向かってくる足音が騒がしい。体に響くから静かにして欲しいんだけど…
「あぁ、やっぱり。真っ青な顔して…!」
「え…?」
買い物袋を持った彼が私の目の前にいる。どうして。
「辛かっただろ、もう大丈夫」
「な、んで…仕事じゃ…?」
「仕事?薬を買いに行っただけだよ。こんなに泣いて寂しかった?」
素直に頷いて「何も言わずにごめんね」と彼から薬を受け取って飲み込んだ。膝の上に乗せられて背後からそっと包み込まれていく。彼の大きく無骨な手に撫でられてお腹も背中もじんわりと、外から中へ温かくなっていった。
3/25/2023, 6:38:38 AM