Rei

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[狙う視線はキミだけに]

くだらない授業を受けてる。つまらない毎日。
薄い雲が流れる。空は透明だ。でも、君がいるから今年は授業をさぼれない。時々、寝てないか確認してくる君に手をひらりと振ると呆れたように首をふってまた前を向く。
ボーッとしてたからか先生と視線が合うと
「じゃあ鈴木ー、この問題を黒板に書けー」
ダルいな。と思いながらチョークを手にとって式と答えをサラサラと書いて「これで、いーですか?」
驚く先生にチョークを返して席に戻る。
この問題は解いたこともなく、習ってもいない内容だ。授業で不真面目だからって小馬鹿にしようとしたのバレてるっつーの。
「おぉ、鈴木。凄いな、正解だ」「どーも」

彼が解けるなんて。私が驚いて振り返ったときに
彼は悪戯が成功したときのような顔をした。
「っ!」その顔にドキッとしたなんて言えないから
彼がいつもするようにひらりと手を振ってみた。

7/20/2024, 2:23:21 AM