夕焼けに教室が照らされる。ここには先生と僕しかいない。机を向かい合わせにして、くだらない話をする。
先生は、もうすでに僕の心を知っている。
「先生は僕のこと、どう思ってますか?」
僕は時折、先生を覗き込むようにして先生に質問をする。すると、先生はわざと僕から視線を外して窓の外を眺めた。
「そんなに必死になったって心なんて見えないさ。潔く諦めることだよ、少年」
先生はそう言ったけど、どうしても先生の横顔を見ると頬には紅が差しているようにしか見えなかった。
(心と心)
12/13/2023, 8:26:13 AM