無意識

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‹視線の先には›

今話題アイドル。
可愛くて何でもできる完璧アイドル
年は15歳の少女。俺の妹だ。
よく「あのアイドルが妹!?いいな」と言われるけど。
俺にとってはダメダメな妹。
他人に取っては完璧アイドルなのだろ。
何がダメダメだって…妹は本音が言えない。それがだめなんだよ。
母さんは元アイドルだ。でも別に有名じゃない。父さんは居ない。離婚したらしい。父さんとはたまに合う。俺だけかもしれないけど父さんは連絡をくれる。
今日何してるんだ?
期末テスト大丈夫か?
とちょこちょこ連絡をくれる。 

妹は、今日も仕事だ。有名過ぎて半年先の予定まで決まっている。
今日は、母さんが、好きな俳優と共演だからといって一緒に行くらしい

母さんは妹を物として扱う。俺はそれが嫌だ。俺も物として扱われるけど俺は別にいい…だって妹はもう…壊れそうだ。
妹はたまに深夜1時ぐらいに帰ってくる。ろくにと酒も飲めないくせに大人と居酒屋にいく。妹は「付き合いだから笑」と作り笑いをする。

妹は、母さんがよる遅くに帰って来るときいつも俺の部屋に来る。
そして愚痴を言う…泣きながら、枯れる声で。もうやめたい。でも言えない。母さんに怒られる。仕事に行くのが怖い。お兄ちゃん助けて…

そしていつの間にか寝ている。
妹部屋に運ぼうと妹の部屋のドアを開ける。

瓶に詰められた大量の薬
服は散らかりローテーブルの上に…
カッターがおいてある。自分が乗っている雑誌がたくさんある。
それにはどれもカッターで自分の顔を切ってある。
それを見た俺は鳥肌が立つ…妹の腕には切り傷なんて無かった…でも…
どこかないか体を見る。ふと靴下の下に傷が見える。靴下をそっと脱がす。そうするとたくさんの傷があった。俺は妹に仕事をやめさせたかった。でも妹はそれを言っても、ファンがいるから…っていうだろう。
結局俺の部屋で寝かした。俺はソファで寝る。携帯を見る。父さんからメールがはいっていた。
[最近どうだ?]と来ていた。俺は
[普通だよ。今妹のことで困ってるんだ。今度会って話せない?]と聞いて見た。そうすると[あぁ話そう。あと大事なのことを話すよ]と言ってくれた。俺は[明日開いてる?急でごめんね。]と言う
[開ける。何時頃だ?]と言う。

合うのは初めてじゃない。父さんが大事なのことを話すよ。なんて言った事ないから少し緊張する。

父さんと、今から会う。父さんの会社の近くの飲食店で、話すことにした時間は20:00時だ。
「父さん大事なのことって何だ?」と俺が言う。「あのな、妹は父さんと母さんの子供じゃなくて母さんの不倫相手の子供なんだ。」と父さんが、言う。なんとなく納得した。
「そんなんだ…」と俺が言う。父さんは「驚かないのか?」と言って来たが「別に…」と俺は言う。だってあんまり関係ないじゃん。別に誰と誰の子供だろうと関係ない。「そうか、良いなら良いが…。お前も妹の事で悩んでたんだろう。」と父さんがいう。「あぁ。妹がアイドル何だけど、妹はアイドルをやめたいんだ。なのに母さんのプレッシャーでやめれないんだ…」と俺が言う
「えっ。お前が俳優じゃなかったのか。」と父さんが言う。「えっ俺は俳優じゃないよ?」と俺が言う。
父さんは昔から母さんが俺のことをオーディションとかに出させてたから、俺が俳優やってるのかと思ってたらしく。母さんは人に無理をさせるタイプだったため俺を心配してくれたみたいだ。いろいろな悩みや笑い話をして今日は、解散した。

家に帰る。エレベーターに乗り13階のボタンを押す。到着した。
鍵が空いていた。でも、今日妹は、ドラマの撮影で泊まりに行くはずた。そーっとドアを開け、足音をたてずに家に入る。リビングには誰も居ない。見渡していると妹の部屋のドアが空いていた。そーっと妹の部屋に近づく。

視線の先には 
窓から乗り出している妹の姿だった

もう落ちそうだった。とっさに「何をしてるんだ!!」と叫ぶ
「あっお兄ちゃんおかえり(泣)」 
「お兄ちゃん大好き!!(笑)」

そして窓から落ちた。
すぐに携帯を取り出し救急車呼んだ

でも助からなかった。
このことは速報で流れた。ツイッターでは、トレンド入りした。
皆、なんで死んたのか? とか
幸せで死んだんじゃない笑 とか
馬鹿にする人も入れば悲しむ人、いろいろな人が反応をした。
俺は、なんで死んたの(泣)と言う人に言いたかった。
もう俺の妹は限界だったんだよ…
お前は知らないだろうけど 泣

いつも視線の先にいた妹は
いなくなっしまった。

あんな小柄な15歳の少女を、こんな思いをさせてしまった兄も悪い。

重い重い荷物に耐えきれなくなって
   死んでしまった少女

7/19/2022, 9:08:48 PM