小絲さなこ

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「もしそれが本当なら」



もしかしたら、もしかするかもって、思っては打ち消していた。

彼の瞳に私が映っている。
たぶん、私の瞳には彼が。

保育園の頃──男女の違いもよくわかっていなかった頃からの付き合いだから、距離が近いなんて今さらだ。
だけど、付き合ってもいない男女の『ふつうの距離』ではないことくらい、この年になれば流石にわかっている。

もしかして、もしかしたらって──

それは、彼の気持ちだけではなく、私の気持ちも。

これ以上ないほどに近くなる。

期待、疑惑、混乱、そして、確信?

瞼を閉じて、それを確かめる。



────瞳をとじて

1/24/2025, 8:43:41 AM