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「つまらないことでも」


ひとりでやるのは嫌。でも君とならやってあげてもいいかも

なんて普通の人なら何様だよとか、なんで自分がとか言いそうなことでも

お前はまたそうやって…

って言ってため息つきながらも一緒にやってくれようとする君とだから、嫌なこともつまらないこともやろうと思えたんだ。まあ君は驚くほど炊事や洗濯、掃除その他諸々の家事が何一つ出来ないから、ほぼ私の見張り兼話し相手みたいな感じだったけど。それでもひとりで淡々とやるより何倍もやる気になれて、どんなことでも全然嫌だと思わなかったんだ。

ねぇ、君がいることが重要なんだよ。早く帰ってきてよ。
君がいなくなってもう半年経つんだよ。家事も全部君と私2人のためだって思えたからどんなに疲れてても毎日頑張れてたのに。君が居なくなってからはてんで駄目になっちゃった。部屋は君がいた頃の面影が無いくらいには荒れているし、ご飯だって即席のものばかり。洗濯するのだって毎日じゃなくなってお風呂もシャワーで済ませる日が増えたんだ。

こんな私を見たら君はなんて思うのかな。

お前は本当に真面目だな。俺は家事ができないからいつも助けられてるよ。本当は出来るようにならないといけないのは分かってるんだけどな…お前が笑顔で任せてって言ってくれるから、ついそれに甘えてしまう。いつもありがとう。

って君が言ってくれるのが嬉しくて、私なんかより全然真面目な君が私を頼ってくれるのが誇らしくて仕方なかった。その言葉が私の原動力になってたんだ。
私の行動にいつも君が関わってたんだなんて、こんなことで知りたくなかったな。
今ならほんとの私を見せてあげられるから、帰ってきてよ。こんなにぐちゃぐちゃになっちゃった私の事見て笑っていいからさ。私一人じゃ生きていけないんだよ。君が隣にいてはじめて1人で立てるんだよ。
つまらない事が嫌いな私に君がいないと息をすることさえつまらないなんて気付かせた癖に。

8/5/2024, 5:20:50 AM