圧倒的にペンギン

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【どこ?】

新人教育中。
「そこの右の棚に申請書が入ってるから」

ガラガラ。
私が指示をしていると新人が声を上げた。
「どこですか?入ってませんよ!」

「あっ嘘だったわ。左の棚の間違い」

すると新人が豹変した。
「嘘ってなんですか?先輩は新人にに平気で嘘をつく人間だったんですか?」

え?なに。
「いやそういうわけではなくて、、、言葉の綾というか悪意があって言ったわけじゃなくて」

「悪意の無い嘘なら余計にたちが悪いですよね?見損ないましたよ。そうやって新人をイビって楽しむのが趣味なんですか。時代錯誤もいいところです。僕は騙されませんよ!」

コイツは一体何と戦っているんだ。

「まあまあ落ち着いて」
私は臨戦態勢に入っている新人の肩に手を置き説得を試みたが。

「触るな!」

新人は私の手をはたいた。
「上手くいかなかったらすぐ暴力てすか。これがあなたのやり方なんですね。そんなことだから髪の毛も薄く─」

「あああああああああああああああああああたアタタタタタタタタタァーーーーー」

気づくと私は北斗百裂拳を繰り出していた。
ボロ雑巾のようになった新人は床に崩れ落ちた。

「あんま調子に乗るなよ」
私はその場を後にした。

即日解雇された。

3/19/2025, 12:02:09 PM