三羽ゆうが

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ぽたり、彼の頬に涙がつたう。これ以上彼を傷つけてはならない。

そんな事は露知らず、次々と彼を傷をつけていく。ぼろぼろ、ぼろぼろ。彼は更に涙をこぼす。止めようとも止められず、次第に量は増えるばかり。





「恵みの雨だ!」

燃え盛る大地に降り注ぐ大量の雨。それはもはや豪雨。雷が鳴り始め、きらきらと空は稲妻を走らせる。


神の哀しみだとは誰も分かるはずもなく、争いは悪化する一方だ。人々が争えば争うほど、空は更に泣き喚いた。


『空が泣く』

9/16/2024, 1:17:55 PM