「常人にはなんて事ない微風でも私にとっては踏ん張らないといけない程度の強風に感じるのよ」と、手のひらの上で小さな小さなお姫様が文句を言っている。
微風どころか、風は一切感じていないのでどういう事か感覚が掴めない。
移動する為に手に乗ってもらった訳だが、もしかしたら移動時に起きる空気の動きを風と言っているのだろうか?だが、移動はしなければならないのでゆっくり歩く。
「ちょっと!そんなに早く動いたら風で髪が乱れるじゃない!!」
顔の両側にぶら下がる縦巻きロールは確かに所々解れ出している。
「貴方!!もっとゆっくりって!あっ…」
驚いた声がしたので安全確認の為に手のひらを見る。
そこには風でスカートがめくれて焦っているお姫様の姿があった。さすがにまずい。立ち止まって風が起きないようにする。
「貴方、今すぐ私を降ろしなさい。クビよ!!!!」
風のいたずらによって職を失った瞬間であった。
(風のいたずら)
おやゆび姫のオマージュ、スカートワァーオはさすがにクビだなぁ。
1/17/2025, 12:56:42 PM