『愛情たっぷりの〇〇』
「オムライスが食べたい。」
普段は出席率の低い部活が、久しぶりに半分揃ったある日。各々自分の時間に興じていたとき、唐突に紗菜が意味不明な発言をした。どうせここで紗菜の話を広げてもめんどくさくなるだけだからと、全員が無視を決め込もうとしたが、その空気感を悟って1歩先に行ったのは紗菜だった。
「みんな?めんどくさそうだからって無視したらダメだよ〜ねっらん?」
「いやめんどくさいからパスで。」
「もう〜らんはつれないなぁ。ひなたはどう思う?」
「うーん……。どう思うと言われても……。」
「うんうん。だよねひなたもオムライス食べたいよね。」
「いやまだ何も言ってないですよ!?」
「ということで、今日は愛情たっぷりのオムライスをひなたに作ってもらおう!!」
「なるほどね……。」
「えっいやいや待ってください私が作るんですか!?この流れで私が作ることになります?普通?らんさんからも何か言ってくださいよ!」
困惑のあまりまくし立てるように告げるひなたのことなんか気にしないと言わんばかりに紗奈は話を進めようとするし。らんも一向に止めようとしない。
「いやぁたしかにこのメンツなら作るのひなただよなぁ。面白いじゃん。作ってよひなた。愛情たっぷりのオムライス。」
「なん……。いやもう諦めます。正直2対1でかなうとは思わないので。ーーーせめて材料は用意してくださいよ?」
「よしきた!じゃあ早速買い物してひなたの家に行こー!」
「うちでやるのは決定なんですね……。というか愛情たっぷりってなんなんですか?なんか意味あるんですか?」
「え?そりゃあまぁあれだろ(ひなたへの)愛情がたっぷり(ある人のために作る)オムライスってことだろ。」
11/27/2024, 11:19:38 AM