川柳えむ

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 それはある雨の夜のことだった。
 近くのコンビニに用事があり、玄関を開けると、そこに君がいた。
 小さくうずくまっていた君は、僕の顔を見上げると消え入りそうな声で鳴いた。

 その時から家族になった君。
 これが目に入れても痛くないというやつかと、初めて知った。何よりも大事にしたいもの。かけがえのない大切な命。

 足に寄ってきた君を抱え上げ、ぎゅっと抱き締める。
 君はとても嫌そうに僕の腕の中から逃げ出そうとする。

 絶対に君を手放さない。大事にしたい。幸せにしたい。
 僕は君と逢えた。それだけで幸せになれたから。


『大事にしたい』

9/20/2023, 10:30:06 PM