あなたに届けたい。
ピンポ−ンと僕は家のインターホ−ンを押した。
十年ぶりに実家に戻った。
「はい」
母親が玄関を引き開けた。
「母さん、久し振りだね」
僕はそう言って頬を緩めた。
「おお、武士!ホンマ久し振りやな…」
母親は笑顔を浮かべた。
驚かせたい一心で、内緒にしていた。
「実は母さんに紹介したい人がいるんだ、おいで」
僕は、物陰に隠れていた女性を手招きして呼び寄せた。
「こちらは智恵さん、僕の恋人です」
「初めまして、智恵です。よろしくお願いします」
智恵は膝の上で指先を揃え、静かに上体を反らした。
「あら、こちらこそよろしくお願いします」
母親も彼女に倣ってお辞儀をした。
「とりあえず、中に入ろう」
三人はテ−ブルを挟んで椅子に腰を下ろした。
テ−ブルにはコ−ヒ−の香りが満ち、クッキーが丁寧にしつらえてあった。
「来年、イタリアで結婚式するから母さんも来てよ」
僕は言った。
「海外旅行は初めてだし、不安やな…」
母親は渋った。
「母さん、私がサポートするんで安心して下さい」
智恵は説得した。
母親は小さく頷き、「喜んで出席させてもらうわ」
と微笑んだ。
三人の弾んだ声が、静かな家を明るく塗り替えていった。
実現させたいが、出会いがないし、稼いでないから正直難しいです。
なので、母親には高級肉をアマゾンで注文して郵送しました。
うーん、現実は厳しい…。
1/30/2026, 11:01:14 PM