私が写る写真、1年に1枚には必ず「それ」がいる。
場所も状況も選ばずに写り込むものだから、証明写真にそれがやってくると面倒なことになる。
正体はわかっている。
小さい頃によく一緒に遊んだ、近所の犬だ。
その家の人達はみんな成人だったから、犬と一緒に…というより近い目線で遊ぶ人がいなかったらしい。だから引っ越してきた当時小さかった私がいい遊び相手になったそうだ。
だから時々一緒に遊ばせてもらったし、写真もたくさん撮ってもらった。
犬が理解するしないにかかわらず、犬と一緒の写真を私は持っていき、一緒に見た。
だからだろう。
犬が寿命を終えてから、ぼんやりとその影のようなものが写るようになったのは。
私はその犬が大好きで、犬もきっとそうだ。
だから、このままでいい。
このまま一緒に写っていくのだ。
私がそちらに行くまで、ずっと、隣で。
3/13/2024, 11:30:55 AM