霜月 朔(創作)

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過ぎた日を想う



透明な空気の中。
想い出の中の、
貴方の面影を追い求め、
孤独に震えていました。

何時帰るとも知れぬ貴方を、
私は独りきりの部屋で待ちながら、
過ぎた日々の記憶に、
揺蕩っていました。

貴方と見つめた空の色は、
心の奥に鮮やかに残り、
波音に乗せて、
静かに蘇ります。

でも。私は。
貴方が居ない孤独に、
耐えられなかったのです。

想い出の場所は、崩れ去り、
あの日の温もりは、 
幻影となりました。

過ぎた日を想う事に、
疲れ切った私は。
何時からか、貴方を裏切り、
堕落した悪魔に成り果てました。

私は温もりを求めて、
貴方ではない、
他の人の腕で眠り、
仮初めの愛の言葉を交わしました。

私には、もう。
大切な貴方を想う資格も、
過ぎた日を想う資格も、
ありません。

さようなら。
誰よりも愛しい、
想い出の…貴方。

10/6/2024, 5:41:51 PM