今日はまた一段と寒いなと、冷え切った指先をさすりながら思った。ちらちらと視界に映る吐息は真っ白に染まっていて、それに比例するように、隣を歩くあなたの鼻先が赤い。
冷たさに身を打たれながら、私達は家路を急いでいた。
あなたの話に相槌を打ちながら、相変わらず冷えている指先をさすり続ける。時には握ったり、袖の中に隠してみたりして忙しなく動かしていると、「寒いの?」とあなたに尋ねられた。うんと首を縦にふる。何か温めるものは持っていないのかと続けて問われ、忘れたと答えれば、しょうがないなと笑ってあなたは右手を差し出した。
ぬくもった掌に再び冷気が触れる。交差点の角を曲がるあなたの背を見送って、私はカバンから手袋を取り出した。
『凍える指先』
12/10/2025, 8:07:28 AM