さめねこ

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高校生の時、最愛の母を自死でなくした。
私は第一発見者で、そのあと精神病にかかってしまった。正式な病名は聞いてないけど、PTSDやうつ病、強迫症関係の病だろう。

今でもあの時の光景、遺体に触れた感触、死に顔を忘れられない。

母が死んだのは私のせいだと自分のことを責めた。悲しみに耐え切れずに周りを責めることもあった。
家族の中はぎすぎすして、みんながみんないっぱいいっぱいで、とても辛かった。
学校の友達は何の憂いもなさそうに毎日を送っていてうらやましかった。
自分はこの世で最も不幸でかわいそうな人間だと思ってそれを態度に出していたから、それで人が離れて行ったこともある。

お母さんに会いたい、苦しみに気づいていたのになにもできずにごめんなさいと涙する日々を送った。
時間の流れはみんな同じはずなのに、苦しい時間が永久に続くような気がして苦しい青春時代だった。


それから十何年もの時間が過ぎていくと、私の中の悲しみは瘡蓋になって、母を失ったときの悲しみは薄れていった。
あんなにお母さんに会いたいと悲しんでいた若かった私は、今じゃ母がなくなった年齢に近づいている。

私は母とは全く違う生き方をしている。
母を通して、必ずしも結婚出産育児、そして家族を持つことが幸せなものだとは思えなくなったからだ。

昔はよく夢にも出てくれていたのに最近じゃ全く出てこない。
会いたい。
だけど起きたときにそれが夢だとわかると虚しくなるから会いたくない、そんな複雑な気分だ。



1/19/2023, 11:48:14 AM