な子

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静かな夜明け

静かな夜明けだった。
音も明かりも消え、地球上から生物が消えたかのようだった。昇ってくる太陽を見ながら、今日も一日が始まるのだと思った。
「構え」
足元から声がした。寝ている間に、囲まれていたらしい。見たことのない車がたくさんあった。
「撃てー!!」
その瞬間、体の腕や足に何かが当たる。煙が視界を塞ぎ、思わず咳き込む。不思議と痛みはなかった。
煙から逃れるように立ち上がる。たくさんの悲鳴が聞こえたが、気にしない。体を伸ばすと気持ちが良かった。
自分は怪獣。人類の敵、らしい。
ただ平穏に過ごしたい、だけなのに。

2/6/2025, 8:46:01 PM