びーえるかも注意報!!
「とりっくおあとりーと!!」
大きな声とともにひょっこり現れたのは大きなオレンジのかぼちゃに三日月の形をした目とギザギザのくちがくり抜かれた被り物。
思わず無言で見つめてしまう。
無反応なおれにひょこひょこと首を傾げながら様子を伺っている。
「お前季節間違えてるぞ」
それしか言うことない。
「どうしたんだこれ」
存外に大きな顔の部分をあちこち触りながら目がありそうな部分を探す。
「これはなんかその…たまたまイベントの片付けしてる人から借りたというか」
歯切れがわるい。
「ふぅん。そーなんだ。でもなんで今頃ハロウィン?」
この辺が目のあたりだろうか三日月型のそれを覗いてみる。
暗くてよく見えない。
口のほうかな?
顔をまじまじ見てたらふいに大きな被り物ごと顔を背けられた。
「それよりこれ。今日の朝ご飯」
目の前に差し出された袋を覗く。
「ありがと。でも別に毎日届けてくれなくていいのに」
そっと受け取った袋を大事に横に置いて隣りにおいでよと手招きする。
素直にこちらに来たかと思うとちょっとした段差に躓いてよろけた。
「その被り物取らないの?危ないよ」
手を伸ばしたら祓われた。
「ごめ…」
「いいけど。気をつけて」
ポンポンと自分の隣りを叩いて誘導する。
ようやく収まった隣りの彼の被り物を軽く撫でる。
「ごはんは食べたの?俺のだけ」
「俺はもう食べたからそれはお前の分」
「いつもありがとね」
「それはお礼だから」
いつも車を出してあちこち送迎してるお礼だと始まったご飯のお届けサービス。
これはいつまで続けてくれるのだろう。
切ろうと思えば簡単に切れてしまう関係。
「いいのに別に。好きで、俺が逢いたくてやってる事なのに」
やんわり頬のあたりを撫でる。
「またお前はそうやって」
身体を押し返される。
「勘違いするだろ」
「勘違いって?」
三日月の目を覗き込む。
ちょっと後ろに身を引かれた。
「俺がお前を好きとか?」
逃がさないようにがっちり腰をホールドする。
それからギザギザのくちを覗き込む。
「好きとか?」
また三日月の形をしたそれに戻って繰り返す。
「そーいうの、どうしていいか落ち着かないから困る」
思わず握った手が赤い。
「それって迷惑って事?」
「そうじゃないけど…」
「ねぇ。ほんとにこれ取っちゃダメ?」
どんな顔で居るのいま。
顔が見たい。
(三日月)
書いてるうちに方向性間違えた(時間ない)
1/10/2026, 9:58:10 AM